令和8年6月の点呼告示改正で、他の営業所の運行管理者が対面で行う点呼は、条件つきで遠隔点呼とみなされる

目次
長距離運行の運転者が、所属していない営業所に帰庫する。その営業所にも運行管理者や補助者がいる場合について、全日本トラック協会の周知文書(全ト協発第656号、令和8年3月30日)は、現行の規制では遠隔点呼を受けることはできても対面点呼を受けることは認められていなかった、と書いています。国土交通省の概要資料(令和8年6月)も、改正前の図に「不可」と書いています。ただし、解釈及び運用通達の第7条1.(7)には、Gマーク営業所などの条件つきで、他の営業所の運行管理者等が対面で行う点呼を、電話その他の方法による点呼に代える取扱いが別にありました。
令和8年6月26日に、点呼告示(令和8年国土交通省告示第792号による改正)の第4条に第2項が新設されました。この記事は、複数の営業所を持つ運送会社の経営者や統括の運行管理者に向けて、その条文と、関係する二つの通達(令和8年3月と6月)を、原文の順に分けて読みます。
読むのは、貨物自動車運送事業輸送安全規則の側だけです。旅客の運輸規則、遠隔点呼機器の選び方や製品の比較、自動点呼の要件は扱いません。自動点呼は自動点呼の要件:中断・中止・不正防止・規程整備で扱っています。事業者間の遠隔点呼については、国土交通省の概要資料の参考図に「本措置は事業者間点呼にも適用」との注記があり、6月の通達の検知器の項目にも事業者間遠隔点呼を実施している営業所への言及があります。一方で、国土交通省のページには管理の受委託許可の様式が別に並んでいます。この記事は事業者間の条文と要件を確認していないので、同一事業者の営業所の間に絞って読みます。
この記事は法的な適否を判断しません。ここに書くのは原文の読み方の整理で、自社の営業所の運用が規定に合うかは、所管の運輸支局や専門家に確認してください。
先に、読み取れることと、読み取れないこと
読み取れること:
- 新設された第4条第2項は、遠隔点呼を行う運行管理者等が、自分と同じ営業所に属さない運転者等に対し、遠隔点呼機器を用いる点呼であって、映像と音声で確認する機能(第5条第1号)を使わず対面で行うものを、遠隔点呼とみなす、と書いています。
- この場合に適用しない規定として、第6条の第1号・第2号・第4号と、第7条第12号が挙げられています。
- 公布は令和8年6月26日、施行は公布の日です。同じ日に、解釈及び運用通達の第7条に、アルコール検知器の扱いを定める項目が新設されました。
読み取れないこと:
- 検知器の扱いは、令和8年3月24日の通達と6月26日の通達で言い回しが違います。どちらかに寄せて読むことはせず、両方を並べます。
- 運行管理規程への明記と関係者への周知は、告示第7条第10号・第11号(遠隔点呼の実施に関し必要な事項をあらかじめ運行管理規程に明記し、関係者に周知する。第10号には対象事業者の括弧書きがある)に書かれています。第4条第2項が第7条で適用しないとしているのは第12号だけなので、この点呼に第10号・第11号が及ぶかは、運輸支局に確認する事項です。
- 通達には、点呼簿を双方の営業所で記録・保存することと、運行管理規程への明記が、IT点呼・遠隔地IT点呼・他営業所点呼の節((5)(6)(7))に書かれています。共有された事項を翌営業日以内を原則に確認する指導は、遠隔点呼の留意事項((9)ウ)に書かれています。どれも、第4条第2項の点呼にも同じ扱いを求めているかは、確認した通達の本文からは読み取れません。
- 「他の営業所の運行管理者が対面で点呼をすれば、どの会社でも遠隔点呼として扱われる」とは読めません。条文の主語は「遠隔点呼を行う運行管理者等」で、遠隔点呼機器を用いる点呼が前提です。
改正前:運転者が所属しない営業所で、点呼をどう受けていたか
貨物自動車運送事業輸送安全規則の第7条第1項は、点呼を、対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により行うと定めています。
解釈及び運用通達の第7条の1.(1)は、「運行上やむを得ない場合」を、遠隔地で業務を開始又は終了するため、運転者等が所属する営業所で対面の点呼ができない場合等とし、車庫と営業所が離れている場合や、早朝・深夜に点呼を行う人が出勤していない場合は該当しない、としています。また、所属以外の営業所で乗務を開始又は終了する場合は、その営業所で酒気帯びの有無や疾病、疲労、睡眠不足等の状況を、可能な限り対面で確認するよう指導する、と続きます。
所属営業所の外で点呼を受ける方法は、新設の前から原文にいくつかありました。主なものとして次の三つを取り上げ、第4条第2項を四行目に並べます。このほかに、通達の第7条1.には、同一事業者内のGマーク営業所の間のIT点呼((5))、遠隔地IT点呼((6))、同一敷地内に複数の営業所があるグループ企業のGマーク営業所が閑散時間帯に対面で行う点呼((8))の規定もあります。この記事は(5)(6)(8)の中身までは読みません。
| 受け方 | 根拠 | 点呼を行う人 | 原文が置いている主な条件 |
|---|---|---|---|
| 電話その他の方法 | 規則第7条第1項、通達第7条1.(1)(2) | 所属営業所の運行管理者等 | 運行上やむを得ない場合。携帯電話や業務無線など直接対話できるもので、メールやFAXは該当しない。運行中には行わない |
| 遠隔点呼 | 点呼告示第2条第1号、第4条第1項 | 遠隔点呼を行う運行管理者等 | 行う側の自社営業所又は車庫と、自社営業所又は車庫、他社営業所又は車庫、事業用自動車内や待合所、宿泊施設等との間で、同一の事業及び種別の場合。機器の機能、施設と環境、遵守事項の要件がある |
| 他営業所点呼(通達の取扱い) | 通達第7条1.(7) | 同一事業者内の他のGマーク営業所の運行管理者等 | 2地点間を定時で運行するなど定型的な業務形態の運転者等。所属営業所の補助者との電話その他の方法による点呼に代えることができる、という書き方 |
| 第4条第2項の点呼(新設) | 点呼告示第4条第2項 | 遠隔点呼を行う運行管理者等 | 同じ営業所に属さない運転者等に、遠隔点呼機器を用いる点呼を、第5条第1号の機能を使わず対面で行う。遠隔点呼とみなす |
国土交通省の概要資料(令和8年6月)は、改正前の図に「他営業所の運転者に対する対面点呼は不可」と書き、改正後は遠隔点呼機器を介して運転者等の情報共有ができる場合に対面点呼が可能になる、と図示しています。表の三行目の通達の取扱いと、この図の「不可」が、どう並ぶのかは、確認した資料の範囲では説明が見つかりませんでした。通達の取扱いは、Gマーク営業所などの条件つきで、電話その他の方法による点呼に代える位置づけです。
新設された第4条第2項を、言い回しごとに読む
条文は一文が長いので、言い回しごとに区切って、書かれていることと注意点を並べます。
| 条文の言い回し | 書かれていること | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 遠隔点呼を行う運行管理者等が | 点呼を行う側。第4条第1項は、運行管理者若しくは補助者又は貨物軽自動車安全管理者を「運行管理者等」としている | 補助者も含む書き方。主語が「遠隔点呼を行う」運行管理者等である点が、冒頭の注意につながる |
| 当該遠隔点呼を受ける運転者等(当該運行管理者等と同一の営業所に属する運転者等を除く。)に対し | 点呼を受ける側は、点呼を行う人と同じ営業所に属する運転者等を除いた運転者等 | 他の営業所に属する運転者等が対象 |
| 遠隔点呼機器を用いる点呼であって | 遠隔点呼機器を用いる点呼が前提 | 機器を使わない対面点呼とは書いていない。3月の通達の前文は、遠隔点呼機器を介して営業所間又は事業者間で運転者等の情報共有ができる事業者を前提にしている |
| 次条第一号に規定する機能を使用せず対面により行うもの | 第5条第1号は、映像と音声の送受信により、運転者等の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病や疲労、睡眠不足その他の理由で安全な運転ができないおそれの有無を、随時明瞭に確認できる機能 | この機能を使わず、目の前で対面により確認する。第5条の他の号の機能を使うか使わないかは、この言い回しからは決まらない |
| 遠隔点呼とみなす | 上の点呼を、遠隔点呼として扱う | 「対面点呼」としてではなく「遠隔点呼」として扱う書き方 |
| この場合において、第6条第1号、第2号及び第4号並びに第7条第12号の規定は、適用しない | 次の表の規定を適用しない | 列挙された規定以外は、適用しないとは書かれていない |
適用しないとされた規定の中身は、改正後の全文で次のとおりです。
| 規定 | 中身(要旨) |
|---|---|
| 第6条第1号 | 映像と音声の送受信で、運転者等の顔の表情、全身などを随時明瞭に確認できる環境照度が確保されていること |
| 第6条第2号 | なりすまし、アルコール検知器の不正使用、所定の場所以外での遠隔点呼を防ぐため、撮影機器で運転者等の全身を実施中に随時明瞭に確認できること |
| 第6条第4号 | 運行管理者等と運転者等の対話が妨げられないために必要な通話環境が確保されていること |
| 第7条第12号 | 事業用自動車内や待合所、宿泊施設等にいる運転者等に遠隔点呼を行うときは、事業者が定めた場所で受けていることを映像で確認すること |
| 適用しないとは書かれていないもの | 第6条第3号(遠隔点呼が途絶しないために必要な通信環境)、第7条のその他の号など |
最後の行の規定が、この点呼でどう働くかは、第4条第2項の文言だけからは決まりません。「遠隔点呼とみなす」ことの帰結として当てはまると読むのが素直だとしても、機器や運用のどこまでが対象になるかは、運輸支局に確認する事項として残します。
なお、改正告示の新旧対照には、第4条第2項の新設のほかに、第4条に項ができたことに伴う引用の改め(「第四条第三号」が「第四条第一項第三号」になるなど)が見られます。国土交通省の概要は、そのほかにも「所要の改正を行った」と書いています。第4条第2項以外の改正内容は、この記事では扱いません。
令和8年3月、6月の文書の関係
関係する文書を、日付の順に並べます。
| 日付 | 文書 | 確認したこと |
|---|---|---|
| 令和8年3月24日 | 国土交通省物流・自動車局安全政策課長の通達「遠隔点呼機器の活用により、点呼を受ける運転者等の所属する営業所の運行管理者等以外の運行管理者等から対面で点呼を受ける場合の特例について」(国自安第216号) | 旅客の運輸規則と貨物の輸送安全規則の両方を対象にする。記の(1)に、告示第4条第2項と同じ趣旨の取扱い、(2)に検知器の取扱いがある |
| 令和8年6月26日 | 点呼告示を改正する告示(令和8年国土交通省告示第792号) | 第4条第2項を新設。公布の日から施行 |
| 令和8年6月26日 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用についての一部改正(国自貨第106号、国自安第68号、国自整第77号) | 新旧対照表の範囲では、第7条の第4項関係に(8)が新設された。同日から施行 |
| 令和8年7月1日 | 全日本トラック協会の周知文書(全ト協発第163号) | 6月の通達は3月24日付の通達の趣旨を引き継いだもので、告示の公布・施行に基づく一部改正だと説明している |
3月の通達が6月以降も別に有効なのか、6月の通達に置き換わったのかは、確認した資料の範囲では書かれていません。全日本トラック協会の周知文書は「趣旨を引き継いだ」と書くにとどまります。自社が拠り所にする文書は、運輸支局に確認してください。
検知器の扱い:二つの通達で言い回しが違う
貨物自動車運送事業輸送安全規則の第7条第4項は、アルコール検知器を営業所ごとに備え、酒気帯びの有無を確認するときは、運転者の状態を目視等で確認するほか、その運転者の属する営業所に備えられた検知器を用いて行わなければならない、と定めています。第4条第2項の点呼で、この「運転者の属する営業所に備えられた検知器」がどうなるのかを、二つの通達が書いています。
| 比べる点 | 令和8年3月24日の通達 | 令和8年6月26日改正の通達 |
|---|---|---|
| 位置 | 記の(2) | 第7条の2.(第4項関係)の(8) |
| 対象の点呼 | (1)の点呼(遠隔点呼機器により、第5条第1号の機能を使用せず対面で行った点呼) | 点呼告示第4条第2項に規定する点呼 |
| 前提として書かれていること | (1)の点呼を行ったとき、という以外の前提の記載は見当たらない | 点呼を実施する運行管理者等の営業所に備え付けられた遠隔点呼機器と連動する検知器を使い、他の営業所(事業者間遠隔点呼を実施している営業所を含む)に所属する運転者の酒気帯びの有無を確認するとき |
| 効果の書き方 | 「運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器」を用いることを要しない | 「当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器」を用いたとみなす |
| 書かれていないこと | 酒気帯びの有無の確認そのものを要しないとは書いていない | 酒気帯びの有無の確認そのものを要しないとは書いていない |
二つを並べて見えるのは、次の点です。
- 「用いることを要しない」は、所属営業所の検知器を使うことを求めない書き方です。ほかの検知器を使うのか、検知器を使わないのかは、この文言だけでは決まりません。
- 「みなす」は、実施する側の営業所の遠隔点呼機器と連動する検知器を使う場合に、所属営業所の検知器を用いたことにする書き方です。
- 同じ場面の言い換えなのか、想定している場面が違うのかは、確認した資料からは分かりません。
どちらかに寄せた読み方を、この記事はしません。運輸支局に確認する事項として、次の三つを残します。
- 点呼を行う営業所で、遠隔点呼機器と連動する検知器を使うのか、ほかの検知器を使うのか
- 3月の通達の文言と6月の通達の文言のどちらに沿って運用すればよいのか
- 酒気帯びの有無の確認で、検知器の測定結果の記録をどこに持つのか
電話で点呼をする場合に、他の営業所の検知器を使わせるときの通達の取扱い(第4項関係の(7)(9)(10)。6月の改正で(8)が新設された後の番号です)は、別の場面の規定です。アルコール検知器の点検は、国土交通省のよくある質問で記録不要とされる。営業所の検知器を一覧にするなら、残す項目は自社で決めるで扱っています。
記録と共有:書かれていることと、この点呼に当てはまるか読み取れないこと
記録に関する記述は、規則、告示、通達の三か所に散らばっています。第4条第2項の点呼に当てはまるかどうかを、右の列に分けて示します。
| 所在 | 書かれていること | 第4条第2項の点呼への当てはまり |
|---|---|---|
| 規則第7条第5項 | 第1項から第3項の点呼を行ったときは、運転者等ごとに点呼を行った旨、報告・確認・指示の内容、点呼を行った者と受けた者の氏名、車両、日時、点呼の方法などを記録し、1年間保存する | 遠隔点呼とみなされる点呼も同じ記録の対象になると読むのが素直だが、条文は直接は書いていない |
| 点呼告示第5条第8号 | 機器の機能として、遠隔点呼を受けた運転者等ごとに氏名、日時、点呼の方法、アルコール検知器の測定結果などを電磁的方法で記録し、実施地点間で共有し、1年間保存する機能 | 第4条第2項は第5条第1号の機能だけを使用しないものを対象に書く。第8号の機能の扱いは、第4条第2項の文言からは直接読み取れない |
| 通達第7条1.(9)ウ | 第5条第8号の機能で記録され、実施地点間で共有された事項を、運転者等の属する営業所の運行管理者等が、実施後速やかに(原則、翌営業日以内)確認するよう指導する | 第4条第2項の点呼にそのまま当てはまるかは、通達の本文から読み取れない |
| 通達第7条1.(7)①ア・イ(他営業所点呼) | 点呼簿に記録する内容を双方の営業所で記録し保存する。実施した営業所の運行管理者等は、速やかに(原則、翌営業日以内)記録内容を所属営業所の運行管理者等に通知し、通知を受けた側は実施者の名前、営業所の名称、通知の内容を点呼簿に記録し保存する | 他営業所点呼の規定。第4条第2項の点呼にも同じ扱いを求めるとは、確認した範囲では書かれていない |
最後の行は、IT点呼((5)②)と遠隔地IT点呼((6)②)にも同じ趣旨の記述があります。「双方の営業所で点呼簿を持つのが義務」とは、この記事は書きません。通達の該当箇所を示して、自社で決める部分として次の章に回します。
届出と運行管理規程:原文が書く範囲と、自社で決める部分
| 決めること | 原文に書かれていること | 自社で決める、確認する部分 |
|---|---|---|
| 届出 | 通達第7条1.(10)は、遠隔点呼を実施しようとする事業者に、実施する営業所と実施される営業所を管轄する運輸支局長等へ、実施予定日の原則10日前までに別紙7の届出書を出すよう指導する、としている。変更は別紙8、終了は別紙9。国土交通省のページは、実施側と被実施側の双方の管轄に出すと注記し、すでに実施している営業所に被実施営業所等が加わる場合は、被実施側営業所等を追加する旨を変更届出書に記載して、実施側の管轄へ出すとも注記している | 第4条第2項の点呼を始めることが、新たな届出なのか、既存の届出の変更なのかは、通達の本文にも国土交通省のページの注記にも、この点呼を名指しした記載は見当たらない。運輸支局に確認する |
| 運行管理規程 | 告示第7条第10号は、遠隔点呼の実施に関し必要な事項をあらかじめ運行管理規程に明記することを、第11号は、その事項を運行管理者等、運転者等その他の関係者に周知することを挙げる(第10号は対象事業者に括弧書きがある)。第4条第2項が第7条で適用しないとしているのは第12号だけで、第10号・第11号は列挙されていない。通達では、IT点呼、遠隔地IT点呼、他営業所点呼の各節が運用に必要な事項の運行管理規程への明記と周知を挙げ、遠隔点呼の留意事項((9))と届出((10))の範囲には、同じ趣旨の文は見当たらなかった | 第4条第2項の点呼に第10号・第11号が及ぶかは、第4条第2項の文言からは直接決まらないため、運輸支局に確認する。運用するなら、誰がどの営業所で行うか、記録をどう持つかを規程にどう書くか。書く内容は自社で決める |
| 事前に共有する情報 | 第5条第4号は、運転者等の日常の健康状態、労働時間、指導監督の記録、携行品、乗務員等台帳の内容、過去の点呼記録、事業用自動車の整備状況が実施地点間で共有され、遠隔点呼時に確認できる機能を挙げる。通達のIT点呼・遠隔地IT点呼・他営業所点呼・グループ企業の対面点呼の各節((5)②ウ、(6)②ウ、(7)①ウ、(8)①ウ)は、運転者が所属する営業所の運行管理者等が、あらかじめ点呼に必要な情報を点呼を行う営業所の運行管理者等に伝達する、としている | 通達の伝達の規定が第4条第2項の点呼に及ぶかは、通達本文から読み取れない。帰庫や出庫の前に、点呼を行う営業所の運行管理者等が何を見られる状態にしておくか。誰が更新するか |
| 機器が使えないとき | 第7条第7号は、機器の故障等で遠隔点呼が困難になった場合に、運転者等の属する営業所の運行管理者等による対面点呼その他、その営業所で実施が認められている点呼を行える体制を整えることを挙げる | 第4条第2項の点呼で機器が使えないとき、どの点呼に切り替えるか。運行管理者の不在の日の備えは運行管理者が休んだ日の点呼はどうするかで扱っている |
| 事業者間の遠隔点呼 | 概要資料の参考図に「本措置は事業者間点呼にも適用」との注記があり、6月の通達の検知器の項目にも事業者間遠隔点呼を実施している営業所への言及がある。一方、国土交通省のページには事業者間遠隔点呼に係る業務の管理受委託許可申請書などの様式が別に並び、告示第7条にも他の事業者との間の遠隔点呼で受委託の許可を受けていることに関する号がある | 事業者間の条文と要件は確認していない。そのため、この記事は同一事業者の営業所の間に絞って読んでいる |
運輸支局へ聞くときのメモの例を挙げます。架空の例です。D社(架空)のE営業所に所属する運転者が、F営業所に帰庫するとします。F営業所は、E営業所の運転者に対して遠隔点呼を行う営業所として届け出ている、という前提です。F営業所の運行管理者または補助者が、対面で点呼を行う場合について、次の点を整理して聞く、というものです。
- 既存の遠隔点呼の届出の範囲で足りるか。変更の届出が要るか
- 検知器は、F営業所の遠隔点呼機器と連動するものを使えばよいか。3月と6月の通達のどちらの文言に沿うか
- 点呼簿は、F営業所とE営業所のどちらに、何を、いつまでに残すのが望ましいか
- 機器が使えない日は、どの点呼に切り替えるか
このメモは、確認事項を挙げるための例であり、特定の営業所の運用が規定に合うことを示すものではありません。
周辺の解説で確認できたこと、できなかったこと
2026年10月21日に、遠隔点呼や点呼告示の改正を説明するウェブのページの本文を取得して読みました。確認したのは、解説や報道の7ページと、官公庁・業界団体の掲載ページ3ページの、合わせて10ページです。
確認した範囲では、この改正を取り上げたページがありました。関東貸切バス適正化センターのページ(2026年7月10日付)は、バス事業者向けに、遠隔点呼を実施している営業所間で、一方の営業所の運転者が他方に帰庫・出庫するとき、他方の運行管理者等が対面で点呼でき、その点呼が遠隔点呼として扱われることを説明しています。原則ではできなかったこと、両方の営業所に選任された補助者がいる場合に余地があったことにも触れ、届出の様式は国土交通省のページにあると案内しています。物流ニュースのサイトは、2026年4月1日の記事で3月の特例通達を、4月23日の記事で告示改正案の意見募集を伝えています。4月1日の記事は、検知器について、所属営業所備え付けの検知器の使用要件が適用除外になると要約しています。全日本トラック協会は、告示と通達へのリンクと、周知文書(全ト協発第163号)を載せています。
一方、システム販売会社や行政書士などの解説4ページは、確認した範囲では、令和8年6月の改正に触れていませんでした。更新日が2025年9月までのもの、2026年5月21日が最終更新のもの、2026年8月5日公開の法改正まとめで遠隔点呼を営業所間で可能とする一文にとどまるもの、令和7年5月更新のものです。そのうち1ページには、遠隔点呼機器の要件として検知器の測定結果の記録の説明があり、営業所間と事業者間の区分の説明もありますが、改正前の内容です。
確認した10ページの本文では、貨物(トラック)の輸送安全規則の側で、第4条第2項の条文の構造、令和8年3月と6月の通達の検知器の文言の違い、記録と届出が通達のどの節に書かれていて、この点呼に当てはまるか読み取れない点を、分けて並べる説明は、確認できませんでした。これは確認した10ページの範囲の話で、ほかの解説や資料に同様の記述がないとは言いません。
当社の運送向け支援との関係
当社の運送の監査対応の公開ページは、点呼、日報、日常点検、勤怠、教育、整備などの必要記録の未入力を毎日検知することと、誰がいつまでに何を直すかをタスクとして出すことを案内しています。遠隔点呼機器の提供、遠隔点呼の実施の代行、酒気帯びの判定、届出の代行、この改正への適合の判断は、この公開ページの案内に含まれていません。この記事の整理は一般的な進め方の提案であり、納品物の紹介ではありません。法令判断や行政対応の最終判断はお客様ご自身に行っていただき、必要に応じて専門家と連携する前提です。
提供内容の詳細は運送の監査対応をAIで仕組み化|点呼・日報・運行管理に、運行管理者の業務全体は運行管理者の役割と毎日やることに掲載しています。
この記事の根拠にした資料と、確認できていないこと
- 対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法を定める告示(令和5年国土交通省告示第266号)の、令和8年6月改正後の全文と、改正告示(令和8年国土交通省告示第792号)の新旧対照。国土交通省のページに掲載のPDFで、第4条第2項の新旧対照の該当ページ(縦書き)を目視で確認
- 国土交通省物流・自動車局の概要資料(令和8年6月)
- 国土交通省安全政策課長通達(国自安第216号、令和8年3月24日。全日本トラック協会の周知文書に添付の写し)
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(最終改正 令和8年6月26日)の第7条と、改正の新旧対照表、全日本トラック協会の周知文書(全ト協発第163号)
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Govの法令データ。第7条を確認)
確認できていないことは次のとおりです。旅客の運輸規則の側、事業者間の遠隔点呼の条文と要件、届出書の様式(別紙7から9)の中身、運輸支局の個別の運用、官報の原本です。全日本トラック協会の「点呼の実施方法について」のページには、令和8年3月24日付として、本文が根拠にした通達とやや異なる題名表記の行がありますが、リンク先は本文が根拠にした周知文書(全ト協発第656号)と同じPDFでした。同日付で別に発出された文書があるかは確認していません。告示や通達は改正が続くものです。最新の取扱いと、自社のやり方が規定に合うかの個別の判断は、運輸支局や専門家に確認してください。
他の営業所で受ける点呼の運用を、整理したい方へ
自社の営業所のうち、どの営業所とどの営業所の間で遠隔点呼を実施しているかを一覧にし、運転者が所属外の営業所に帰庫・出庫する場面を洗い出すところから始められます。そのうえで、この記事の運輸支局へのメモの例を、自社の営業所の名前に置き換えて、確認する項目として使えます。
複数の営業所での点呼の運用と記録の持ち方を、運行管理規程にどう落とすかを整理したい方は、個別相談の予約へお進みください。(個別相談会(30分)の予約ページへ移動します)

