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不採用にした人のデータを次の募集で使いたくなったとき、応募時・不採用の連絡時・AIで探すときに何を決め直すか(架空の事例)

AI

不採用にした応募者のデータが、採用管理システムに残っている。しばらくして別の職種の募集が出たとき、その過去の応募者をAIで求める条件に合う順に並べて、募集の案内メールを送りたくなる。この記事は、そうした出来事を架空の小さな会社の話として三つの場面に分け、場面ごとに個人情報保護法と職業安定法の条文が何を求めているかを原文で読み、会社が決め直す項目を表にまとめます。登場する会社も人も架空で、人数や件数は設けていません。

過去の応募者のデータを次の募集に使ってよいか、AIで並べ替えてよいか、という問いに、この記事は結論を出しません。条文は、使う側が自社の事実を当てはめて読む形で書かれています。その当てはめは、自社の応募画面の文言や連絡の実際を見たうえで、専門家や個人情報保護委員会などの窓口に確認する事項として残します。条文は2026年10月21日に取得した現行の版で確認しました。令和8年の改正法は公布済みで、施行後の版には文言の変わる箇所があるため、確認した範囲を最後の節に書きました。

不採用者のデータをいつ、どこから消すかは不採用者の応募者データは、いつ・どこから消すか:採用管理システムやAIに預けた分まで決めておくにあります。この記事は、残っているデータを「次の募集に使う側」から読むものです。応募者へAIの利用を伝える項目は採用でAIを使うとき、応募者に何をどこまで伝えるか:説明項目と、人に代える窓口の決め方にあります。

架空の事例:応募画面の一文、不採用のメール、翌年の募集

会社R(架空)は、自社の採用ページに応募フォームを置いています。入力画面の下には「いただいた情報は採用選考のために利用します」と書かれています。

応募者P(架空)は、フォームに氏名、連絡先、職務経歴を入力し、書類もあわせて送りました。情報は採用管理システムに保存されました。選考の結果、Pさんは不採用となり、会社Rは結果をメールで伝えました。そのメールには、結果のほかに、次の募集についての記載はありませんでした。

翌年、会社Rは別の職種の募集を出します。担当者は、採用管理システムに残る過去の応募者のデータをAIで条件に合う順に並べ、上位の人に募集の案内メールを送れないかと考えました。Pさんのデータも、並べ替えの対象に入っています。

担当者が確かめたいことは、時点ごとに三つの問いに分かれます。

  • 応募の時点で、応募者に何に使うと伝えていたか(場面1)
  • 不採用の連絡を出したあとで、使い道を足すことはできるか。足すなら何が要るか(場面2)
  • 条件に合う順に並べる処理は、伝えていた使い道の中か外か。データを残しておくこと自体はどうか(場面3)

先に押さえる言葉:個人情報と個人データ

個人データとは、個人情報データベース等を構成する個人情報を指します。個人情報データベース等は、個人情報を含む情報の集合物のうち、特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものなどです。個人情報取扱事業者は、この個人情報データベース等を事業の用に供している者をいいます(法第16条第1項から第3項)。応募者の記録を、検索できる形で採用管理システムに入れている会社は、この定義に当てはまるかを自社で確かめます。

この記事で読む条文は、対象が少し違います。利用目的の特定と変更(法第17条)、利用目的による制限(法第18条)、取得に際しての利用目的の通知等(法第21条)は、条文の文言が「個人情報」を対象にしています。データ内容の正確性の確保等(法第22条)は「個人データ」を対象にしています。

場面1:応募画面に書かれていた利用目的

条文が求めていること

個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、利用目的をできる限り特定しなければなりません(法第17条第1項)。ガイドライン(通則編)3-1-1は、個人情報が最終的にどのような事業の用に供され、どのような目的で利用されるのかが、本人にとって一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に特定することが望ましいとしています。事業活動、マーケティング活動といった抽象的・一般的な書き方だけでは、具体的に特定していない事例とされています。「採用選考のために」という書き方がどこに当たるかは、この記事では判断しません。

応募者が入力画面に自分で打ち込む情報を取得するときは、あらかじめ本人に利用目的を明示することを求める規定があります(法第21条第2項)。ガイドライン3-3-4は、その対象を、契約書や懸賞応募はがき等の書面のほか、ユーザー入力画面への打ち込みによる取得とし、事例に、自社が主催するキャンペーンの参加申込みのためにホームページの入力画面へ入力された個人情報を挙げます。ネットワーク上の明示の方法としては、本人がアクセスした自社のホームページ上に利用目的を明示する方法が挙げられ、送信ボタン等をクリックする前に目に留まる配置に留意することが望ましいとされています。採用の応募はこの事例には挙がっていません。自社の応募フォームがこの規定の対象になるかは、事例を手がかりに確かめます。

取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合は、通知や明示などが不要になります(法第21条第4項第4号)。ガイドライン3-3-5がこの場合の事例に挙げるのは、商品やサービスの販売・提供のみを確実に行うための取得と、名刺交換での取得で、採用の応募は挙がっていません。この記事は、この例外を最初から当てはめず、応募の画面に書いた目的を出発点にして読みます。

職業安定法第5条の5第1項は、求職者等の個人情報を収集し、保管し、または使用するときの定めです。業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより目的を明らかにして収集し、収集の目的の範囲内で保管し、使用しなければならず、ただし本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない、という構造になっています。名宛人には、労働者の募集を行う者などが挙がっています。自社の募集の形がこの条の対象かどうかは、専門家や所管の窓口に確認してください。

応募時点の記録で、確かめること

以下は、一般的な進め方の提案であり、特定の会社で試した結果ではありません。

  • 応募の画面や書面に、その時点でどの文言が表示されていたか。文言を後から書き換えている場合は、応募者が応募した時期の版
  • 文言が表示されていた場所。入力欄の近く、送信ボタンの前、別ページのリンクの先のどれか
  • 応募の経路。自社のフォームから直接受け取ったものと、求人媒体や紹介会社を通して受け取ったものは、取得の経路が違うため、別に整理する(この記事は、自社の応募フォームから直接受け取った場合を読みます)
  • 文言に、次の募集や再応募のことが含まれていたか
  • 応募時の画面を、後から再現できる形で残しているか(画面の保存、文言の改定履歴)

場面2:不採用の連絡を出したあとで、使い道を足したくなった

会社Rの応募画面の文言は、採用選考のためとだけ書かれていました。翌年の案内メールは、その文言に書かれていない使い道に見えます。見えるだけで、範囲内か超えるかを、この記事は判断しません。条文は、使い道を足すときの道筋を二つに分けています。

変更できる範囲と、本人の同意が要る範囲

利用目的を変更する場合は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはなりません(法第17条第2項)。ここでいう「関連性を有すると合理的に認められる範囲」とは、ガイドライン3-1-2によれば、変更後の利用目的が変更前の利用目的からみて、社会通念上、本人が通常予期し得る限度と客観的に認められる範囲内です。同じ箇所の注には、本人の主観や事業者の恣意的な判断によるものではなく、一般人の判断において、当初の利用目的と変更後の利用目的を比較し、どの程度の関連性を有するかを総合的に勘案して判断される、とあります。

その範囲内で変更したときは、変更された利用目的を、本人に通知するか、公表しなければなりません(法第21条第3項)。ガイドライン2-14は、通知を本人に直接知らしめることとし、電子メールで送信することを事例に挙げます。2-15は、公表を広く一般に自己の意思を知らせることとし、自社のホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載を事例に挙げます。どちらの方法で、いつ、誰に知らせるかは、会社が決めることです。

範囲を超えて個人情報を取り扱う場合は、あらかじめ本人の同意を得なければなりません(法第18条第1項)。同意が不要になる場合として第3項が列挙するのは、法令に基づく場合、人の生命・身体・財産の保護のために必要で同意を得ることが困難なとき、公衆衛生の向上や児童の健全な育成のために特に必要で同意を得ることが困難なとき、国の機関等の事務への協力、学術研究に関する二つの場合です。募集の案内に関する号は、この列挙にはありません。

ガイドライン2-16は、本人の同意を、本人の個人情報が事業者の示した取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の本人の意思表示とし、同意を得ることを、その意思表示を事業者が認識することと説明します。事例には、同意する旨のメールの受信、確認欄へのチェック、ホームページ上のボタンのクリックなどが挙がっています。3-1-3は、同意を得るために個人情報を利用すること(メールの送信や電話をかけること等)は、当初の利用目的として記載されていなくても、目的外利用には該当しないとしています。同意を求める連絡そのものについては、この整理が示されています。職業安定法第5条の5第1項にも、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合を例外とするただし書がありますが、同意の取り方が両方の条文に足りるかは、専門家に確認してください。

場面2の分かれ目

会社Rがたどる道筋を、分かれ目ごとに並べると、次のとおりです。

分かれ目読む条文条文が求めていること会社が決めること
応募時の文言に、次の募集への連絡が含まれていたか法第17条第1項、第18条第1項特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱わない応募時の文言の版を確認し、含まれていたと読めるかを専門家と確かめる
含まれていないが、使い道を足したい法第17条第2項変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えない本人が通常予期し得る限度かを、応募者の目線で検討し、判断の理由を記録する
範囲内と判断して、使い道を変更した法第21条第3項変更された利用目的を、本人に通知または公表する通知か公表か。方法、時期、対象者の範囲
範囲を超える法第18条第1項あらかじめ本人の同意を得る同意を求める連絡の方法、同意の記録の残し方、返事がない人のデータの扱い

会社Rの応募画面には採用選考のためとしか書かれておらず、不採用の連絡にも次の募集の記載がありませんでした。会社Rは、表の1行目の「含まれていたと読めるか」から入り、含まれていないと整理するなら2行目以降に進みます。どの行に着地するかは、この記事では決めません。

場面3:残っている過去の応募者を、AIで並べて案内したい

場面3には、三つの取扱いが重なっています。条件に合う順に並べること、並べた結果をもとにメールを送ること、そもそもデータを残しておくことです。三つを分けて読みます。

条件に合う順に並べる処理は、伝えていた使い道の中か

法第18条第1項の文言は、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならない、というものです。取扱いの方法が人かAIかで区別する記載は、確認した条文にはありません。ガイドライン(通則編)の本文にも、AI、人工知能、機械学習の語は確認できませんでした。AIで並べ替えることを理由に、条文の見方が変わると読める記載も、変わらないと読める記載も、確認した範囲にはありません。

ガイドライン3-1-1の注は、本人から得た情報から本人に関する行動・関心等の情報を分析する場合には、どのような取扱いが行われているかを本人が予測・想定できる程度に利用目的を特定しなければならないとし、閲覧履歴や購買履歴を分析して広告に用いる事例などを挙げます。過去の応募者の職務経歴を条件に合う順に並べる処理が、この「分析」に当たるのか、当初の採用選考の延長なのかを示した事例は、確認した範囲にはありません。この点は、実際の処理の中身を専門家に見せて確かめる事項です。専門家に見せる材料として、次の判断条件を書き出しておけます。

  • 入力:過去の応募書類のどの項目をAIに渡すか
  • 出力:順位、点数、要約のどれが作られ、どこに保存されるか
  • 人の関与:案内を送る相手を、誰がどの画面で決めるか
  • 以前の選考との関係:以前の評価や不採用の理由を、並べ替えの入力に使うか
  • 保存:並べ替えの結果を、応募者の記録として残すか

並べ替えの条件に何を使うかは、別の論点です。法第19条は、違法または不当な行為を助長し、または誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならないと定めており、ガイドライン3-2は、事例の一つに、採用選考を通じて個人情報を取得した事業者が、性別、国籍等の特定の属性のみにより、正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために個人情報を利用する場合を挙げています。条件の選び方は、この記事の範囲を超えるため、専門家に確認してください。

案内のメールは、新しい使い道として場面2へ戻る

並べた結果をもとに案内メールを送ることは、使い道としては次の募集の案内にあたります。これは場面2の表の行にそのまま戻り、応募時の文言との関係、変更できる範囲か、同意が要るかを決めます。メールの送信に関して個人情報保護法以外に守るべき法令があるかは、この記事では確認していません。

外部のAIサービスや採用管理システムの提供会社にデータを渡す場合の渡し方は、別の論点です。委託に当たるかどうかはAI開発の委託先に渡した個人データは、どこまでが「委託」かで読んでいます。採用管理システムとAIの役割の分け方は採用管理システム(ATS)とAIは何が違うか:記録の置き場と処理を分けて、データの正本を決めるにあります。

残しておくこと自体

個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、その個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません(法第22条)。努力義務であり、期間の数字を定める規定ではありません。ガイドライン3-4-1は、「利用する必要がなくなったとき」を、利用目的が達成され、当該目的との関係では保有する合理的な理由が存在しなくなった場合などとし、保存期間の設定などで正確・最新に保つよう努めることを挙げます。法令の定めにより保存期間等が定められている場合は、この限りではない、とも書かれています。

「次の募集に使うかもしれないから残す」を理由にするなら、その使い道が応募時の目的に含まれていたか、場面2の道筋で変更または同意を得ていたかが、残す理由の土台になります。土台が決まっていないままでは、利用する必要がなくなったのがいつなのかを判断する基準も定まりません。職業安定法第5条の5第1項も、収集の目的の範囲内で保管し、使用することを求めており、残すことと使うことの両方が、収集のときに明らかにした目的に結びつく形になっています。

ガイドライン3-8-5-1は、保有個人データの利用停止等の請求が認められる事例の一つに、採用応募者のうち採用に至らなかった応募者の情報について、再応募への対応等のための合理的な期間が経過した後に、本人が利用停止等を請求した場合を挙げています。この合理的な期間が何か月かは、ガイドラインのこの箇所には書かれていません。期間の数字は、自社の目的から決めることになります。置き場所ごとに洗い出して期限と削除の手段を決める手順は不採用者の応募者データは、いつ・どこから消すかにまとめています。

三つの場面を一枚に:どこで何を決め直すか

場面事例の出来事読む条文・ガイドライン会社が決め直すこと専門家・窓口に確認すること
1 応募時画面に採用選考のためとだけ書いてあった法第17条第1項、第21条第2項、職業安定法第5条の5第1項、ガイドライン3-1-1、3-3-4応募画面の文言と版の記録、経路別の整理、次の募集の案内を利用目的に含めるか文言が「できる限り特定」に足りるか。自社の募集が職業安定法の定めの対象か
2 不採用の連絡結果だけを伝え、次の募集の記載はなかった法第17条第2項、第18条第1項、第21条第3項、ガイドライン3-1-2、3-1-3、2-14から2-16変更か同意かの道筋、通知・公表・同意の方法と記録変更前と関連性を有すると合理的に認められる範囲に収まるか
3 AIで並べる過去の応募者を条件に合う順に並べ、案内を送りたい法第18条第1項、法第19条、ガイドライン3-1-1の注、3-2入力・出力・保存・人の関与の整理、並べ替えの条件の確認並べ替えが当初の目的の範囲内か。条件の選び方に問題がないか
3 残す採用管理システムに残り続けている法第22条、ガイドライン3-4-1、3-8-5-1残す理由と期限、期限が来たときに消す担当者と手段期間の数字。法令で定められた保存期間との関係

現行の条文と周辺の解説で確認できたこと、確認できなかったこと

2026年10月21日に、e-Gov法令APIで個人情報保護法の第16条、第17条、第18条、第19条、第21条、第22条と、職業安定法第5条の5を取得し、原文を確認しました。ガイドライン(通則編)は、個人情報保護委員会のページ(令和8年6月一部改正の表示)の本文を読みました。

令和8年7月17日に、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律が公布されています。e-Govには、この改正法による未施行の版が、2027年1月17日と2028年7月16日の日付で載っています。このほか、別の法律による未施行の版も4つあります。この記事が読んだ条文(第16条、第17条、第18条、第19条、第21条、第22条)を、載っている未施行の全ての版と現行とで比べました。2027年1月17日までの日付の版は、現行と文言が同じでした。2028年7月16日以降の日付の版は、第17条、第19条、第21条、第22条が同じで、第18条は、第1項と第2項が同じ一方、第3項の列挙に文言の変わる箇所と新しい号があります。第16条は項の構成が変わりますが、第3項の個人データの定義の文言は同じでした。2028年7月16日の版の備考には、施行日が公布の日から二年を超えない範囲内で政令で定める日とあり、確定した日付は、確認した時点では確認できませんでした。この記事は現行の条文のものです。改正後の内容は、施行前に該当する版で確認してください。職業安定法第5条の5に未施行の版は、確認した改正履歴にはありませんでした。

2026年10月21日に、不採用になった人や内定を辞退した人をタレントプールとして次の連絡に使う運用を説明するウェブの解説6件の本文を取得して読みました。確認した範囲では、この記事と近い記述が複数ありました。不採用を通知するときに再選考の可能性を伝えておく、ニュースレターなどは許可を得たうえで送る取り組みがある、とする説明、内定辞退者の個人情報を使う場合について、お断りされた方の個人情報の利用は原則差し控える必要があるとする意見や、利用目的を明確にして事前に本人の同意を得れば問題ないとする意見など、回答者の見解が分かれた質問、履歴書の保管期間や返却に触れた回答、不採用や辞退の理由まで含めて候補者のデータベースに残すとよい、必要になったらデータベースから要件を満たす人材を探して再アプローチする、とする説明、個人情報が流出しないよう管理を計画する、候補者の情報は古くなるため更新を続ける必要がある、とする説明、求人応募者の個人情報を人材マーケティング目的で利用することを目的外利用の事例に挙げる説明、利用目的を変更するときは合理的な範囲内なら通知か公表、超えるなら同意という一般的な説明、がありました。この記事の考え方は、そうした記述と同じ方向のものです。

一方、確認した6件の本文では、応募時・不採用の連絡時・AIでの検索という場面ごとに、利用目的の特定(法第17条第1項)、変更できる範囲(第17条第2項)、変更後の通知・公表(第21条第3項)、範囲を超えるときの同意(第18条第1項)を条文の言葉で順に並べ、会社が決め直す項目を表にした説明は、確認できませんでした。採用管理システムやAIで過去の応募者を探す処理を、利用目的の範囲に当てはめて整理した記述も、利用目的の達成後の消去の努力義務(第22条)や、再応募に関するガイドラインの事例に触れた記述も、確認できませんでした。これは確認した6件の範囲の話で、ほかの解説や資料に同様の記述がないとは言いません。弁護士事務所などの解説記事は、検索では見つけられませんでした。

この記事が確認できていないことは、次のとおりです。

  • 職業安定法に関する指針(平成11年労働省告示第141号)の現行の本文と、第5条の5第1項が定める厚生労働省令の内容
  • 個人情報保護委員会のQ&A、厚生労働省の雇用管理分野の資料、裁判例、業法ごとの分野別ガイドライン
  • 案内メールの送信に関して、個人情報保護法以外に守るべき法令
  • 本人が連絡や利用を望まない旨を伝えた後の扱い(解説の回答者の意見はありますが、この記事が読んだ条文からは裏づけを確認していません。利用停止等の請求の要件も、この記事では読んでいません)

ガイドライン(通則編)で「採用」の語が出るのは、確認した本文の範囲では、法第19条の不適正利用の事例と、法第35条の利用停止等の事例の二か所で、採用の応募者の情報を別の募集に使う場面の事例は確認できませんでした。

当社の採用AXとの関係

この記事は、採用業務のAI化に取り組むWITHPROJECTSが作成しています。当社の公開ページには、採用AXの設計の進め方の一つとして、応募者データの保管・利用範囲・削除の扱いを決めることが書かれています。当社の公開ページには、過去の応募者を条件に合う順に並べることや、案内メールの送信を、提供範囲として記載していません。この記事の表は、そうした処理を考える前に会社の側で決められる項目であり、採用AXの提供範囲を説明するものではありません。個別の法令の適否は、専門家や所管の窓口に確認していただく前提です。

採用業務全体の設計は採用AXとはにまとめています。

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