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応募者に「自動返信が届いていない」と言われたら、自社のどこから順に確かめるのか

AI

応募者から「自動返信が届いていません」と連絡が来たとき、最初に返しやすいのは「迷惑メールのフォルダも見てください」です。ただ、その返事は、止まった場所が応募者の側にあると先に決めています。AIやATSに一次返信を任せていると、返信は「作られる」「人が承認する」「送られる」「相手のサーバーが受け取る」「応募者の画面に出る」という段を通ります。どこかで止まっていても、自社の画面からは気づきにくいことがあります。

この記事は、人事責任者・採用担当の方が、「届いていない」と言われた直後に、自社の中から順に確かめるための記事です。確かめるのは五つの段で、それぞれ、誰が、どこを見て、何が分かったら次へ進むのかを表にします。DNSなどの設定手順、特定のATSやメール配信サービスの画面操作、到達率のような数値は扱いません。製品ごとに異なり、この記事では確認できないためです。送信元の設定は、情報システム担当やベンダーへ渡す質問の形にとどめます。

ここでいう「届いていない」とは、応募者が「受け取っていない」と申告している状態を指します。自社の記録の上で、返信が作られたのか、送られたのかは、この時点では分かっていません。

同じ「自動返信」でも、通る段が違う

応募者が受け取っていないと言う返信は、二つの経路のどちらかで出ています。一つは、応募の受付をきっかけに、決まった文面をルールで送る経路。もう一つは、AIが下書きを作り、人が承認してから送る経路です。前者に承認の段を置いている設計もあれば、後者でも定型の返信は承認なしで送る設計もあります。自社がどちらなのかは、設定を見るか、導入を担当した人に聞いて確かめます。

次の表は、止まっている可能性がある五つの段を、自社の中から外へ向かう順に並べたものです。一つ目と三つ目は採用担当者の手元で、二つ目は承認する人の手元で確かめられます。四つ目は情報システム担当やベンダーの手を借り、五つ目は応募者本人に頼むことになります。手を借りる人が少ない段から先に確かめるのは、頼まれる側の負担と、原因が見つかるまでの時間を考えてのことです。

段止まっているときの状態見る人と場所次へ進める条件止まっていたときの戻し先
一 作られていない受付や下書きの対象に入らず、返信そのものが作られていない採用担当者。その応募者の個別の記録(返信の下書き、送信の予定)その応募者に、返信の下書きまたは送信の予定が残っている対象から外れた条件(求人、ステータス、応募経路、必須項目の空欄)を調べ、設定の持ち主へ
二 承認待ち下書きはあるが、承認する人の手元で止まっている承認する人。承認待ちの一覧と、通知の届き先承認済みの表示があり、そのあとの送信の記録がある不在や見落としなら代理へ渡し、承認の運用を見直す
三 送られていない承認のあと、送信が実行されていない、または実行時に失敗している採用担当者。送信の記録(日時、宛先、結果の表示)送信の記録があり、宛先が応募者の使うアドレスと合い、失敗の表示がない宛先が違えば登録の修正と再送、失敗の表示があれば文言を控えてベンダーへ
四 受け付けられていない送られたが、受信側に拒否された、または迷惑メールとして扱われた情報システム担当、ベンダー。送信元の設定と、詳しい送信の記録受信側が受け取った記録がある、または拒否の理由が分かる設定の問題が疑われるなら、情報システム担当とベンダーで直す。直るまでは別の経路で連絡
五 応募者側で見えていない受信側までは届いているが、フォルダの振り分けや受信設定で、応募者の画面に出ていない応募者本人。採用担当者は依頼する側応募者の受信箱のどこかで、そのメールが見つかる見つからず、ほかの段にも問題がなければ、別のアドレスや別の経路へ

見つかった段で直したら、同じ応募者への再送が届いたかまで確かめます。一つの段で原因が見つかっても、別の段にも原因が重なっていることがあるためです。

申告を受けた直後に、自社の記録から拾っておくこと

段を確かめる前に、次の五つを自社の記録から拾います。応募者に何かを尋ねる前に、自社で分かることを揃えておくためです。

  • 受け取っていないと言われている返信は、どれか(受付の自動返信、面接の案内、選考結果の連絡など)
  • その返信は、いつ、何をきっかけに送られるはずだったか
  • 応募者が使った経路(求人媒体を通した応募か、自社の応募フォームか)
  • 登録されている宛先の種類(携帯会社のアドレスか、フリーメールか、それ以外か)
  • 同じ日に同じ経路で応募した、ほかの応募者にも同じ連絡が出ていないか

最後の項目は、原因の見当に効きます。その応募者一人にだけ出ているなら、一人分の記録や受信側の事情を疑います。同じ日、同じ経路の応募者に複数出ているなら、個別の受信設定よりも先に、四つ目の送信元の設定や、一つ目の対象の条件を疑います。

応募者に聞いてよいことと、聞かないこと

切り分けに必要な最小限だけを聞きます。聞いてよいのは、次のことです。

  • 応募した日と、使った経路
  • 迷惑メールのフォルダ、ゴミ箱、受信箱の検索で、自社名や件名を探してもらえるか
  • 使っているアドレスの種類(携帯会社、フリーメール、それ以外)
  • 携帯会社のアドレスなら、迷惑メール対策や受信リストの設定を使っているか
  • 別に連絡が取れるアドレスや連絡先を、本人が使ってよいと言う範囲で教えてもらえるか

聞かないほうがよいのは、次のことです。

  • 受信箱の中の、ほかのメールの内容が分かる画面や転送
  • 受信設定を変えるためのIDやパスワード
  • 応募者が使っているアドレスを、自社の都合で別のものに変えてほしいという要望

アドレスの種類や設定の有無は、切り分けが済んだら、記録に残す範囲を決めます。応募者データの保管と削除の決まりは、不採用者の応募者データは、いつ・どこから消すかにまとめています。個人情報の扱いに関わる判断は、社内の法務や専門家に相談してください。

一つ目:返信は作られていたか

その応募者の個別の記録を開き、返信の下書きまたは送信の予定が残っているかを見ます。見るのは三つです。

  • 下書きも送信の予定もない場合:返信の対象から外れています。求人ごとの設定、ステータスの条件、応募経路、必須項目の空欄など、対象になる条件を順に見ます。
  • 下書きはあるが、中身が空、または途中で終わっている場合:下書きを作る段で失敗しています。表示されている文言を控えておきます。
  • 下書きはあるが、宛先が空、または別の応募者のものになっている場合:下書きと応募者の記録の結びつきを疑います。

この段で見つかるのは、AIの不具合とは限りません。対象の条件に当てはまらなかった、必須の項目が空だった、という設定やデータ側の理由もあります。「AIが原因」と決めてから探すと、設定の持ち主に戻すべき問題を見落とします。

二つ目:人の承認で止まっていないか

AIの下書きを人が承認してから送る経路なら、承認待ちの一覧にその応募者の下書きが残っていないかを見ます。承認する人が複数いる場合は、誰の待ちになっているかも見ます。残っていれば、返信は作られたまま、人の手元で止まっています。

見るのは、承認する人の不在と、承認待ちの通知の届き先です。通知が今の担当者に届いていなければ、承認待ちは増えても気づかれません。止まった連絡を誰の待ちとして数え、誰に上げるかは、応募者対応の「未対応」は、誰の待ちかで数え分けて運用すると、検出した後の上げ先を決めやすいにまとめています。

承認済みと表示されているのに、送信の記録がない場合は、三つ目へ進みます。システムによっては、承認と送信の実行が別の操作になっていることがあります。承認されたことと、送られたことは、別々に確かめます。

採用の問い合わせにチャットボットが自動で答えてよい質問と、人に渡す質問をどう分けるかは、採用の問い合わせにチャットボットが自動応答するとき、答えてよい質問は何で決めるかで扱っています。面接の日程に関わる返信の例外は、面接日程調整を自動化する前に、例外は誰に戻すかを決めるで扱っています。

三つ目:送信の記録が示しているのは、どこまでか

送信の記録で見るのは、日時、宛先、件名、結果の表示です。このとき、記録の「送信済み」が何を意味するかを分けて読みます。意味は大きく三つあり、「システムが送信の処理を実行した」「受信側のサーバーが受け取った」「応募者が画面で見た」です。「送信済み」の表示が、このうちどこまでを指すのかは、使っているシステムによって違いうるため、仕様の資料かベンダーに確かめます。三つ目の「見た」は、多くの場合、自社の記録からは分からないものとして扱い、五つ目で応募者に確かめます。開封の記録が取れる仕組みを使っている場合も、その記録を「見た」の判断材料にはしません。Googleのヘルプは、開封率の低さは配信や迷惑メール分類の問題の正確な指標になるとは限らない、と書いています。

一般のメールの解説では、宛先のアドレスが誤っていた場合や、相手の受信箱の容量がいっぱいだった場合に、送った側にエラーの通知が戻ると説明されています。その通知が、日々見ている受信箱に届く設定なのか、見る人のいない宛先に届く設定なのかは、情報システム担当やベンダーに確かめておきます。送信の記録とは別に、送信に失敗した履歴(宛先、日時、エラーの区分や原因)を見られる仕組みがあるかも、仕様の資料かベンダーに確かめます。

宛先の照合も、この段で行います。記録の宛先を、応募者が今使っているアドレスと突き合わせます。Indeedのヘルプは、アカウントの作成時に「Appleで続ける」を選ぶと、転送用のアドレスで登録される場合があり、採用企業からのメールもその転送先に届く、と説明しています。登録されている宛先が、応募者の知らないアドレスに見えるときは、入力の誤りと決めつけず、応募の経路を確かめます。

架空の例です。同じ日に応募した二人の応募者が、どちらも「受付の自動返信が届かない」と連絡してきたとします。二人の送信の記録を並べると、一人目は、宛先が応募者の言うアドレスと一文字違っていました。二人目は、宛先が合っていて、送信を実行した記録もあります。同じ「届かない」でも、止まっている段は違います。一人目は三つ目(登録された宛先)で、迷惑メールのフォルダの案内は見当違いでした。二人目は四つ目か五つ目へ進みます。二人目と同じ経路、同じ日の応募者から同じ連絡が続くなら、個別の受信設定の依頼より先に、四つ目を情報システム担当やベンダーへ問い合わせます。

四つ目:送信元の設定は、手順ではなく質問として渡す

応募者に届くメールは、自社が選んだ送信元のアドレスとドメインから送られます。ATSやAIの送信機能を使っている場合、自社のドメインとは別の送信用のサービスを経由していることがあります。送信元の設定を変えるのは、情報システム担当やベンダーの作業です。採用担当者が自分で設定を触らず、次の質問を渡して、回答を記録に残します。

Googleのヘルプには、個人用のGmailアカウントにメールを送る送信者のガイドラインがあります。2024年2月1日以降、個人用のGmailアカウントに送るすべての送信者に、送信元ドメインへのメール認証(SPFまたはDKIM)の設定などを求める内容です。サードパーティの送信者が、ドメインのSPFレコードに含まれていない場合、その送信者から送ったメールは、迷惑メールに分類される可能性が高くなる、とも書かれています。メール認証をしていないメールは、迷惑メールに分類されたり、拒否されたりすることがある、という説明もあります。送信にサービスプロバイダを使っていて配信に問題が出たときは、そのプロバイダが要件を守っているかを確かめるよう、同じヘルプは案内しています。このページは、要件を、送信する数や、マーケティング目的かどうかなどで区分しています。応募者への受付確認や面接の案内が、どの区分に当たるのかは、ページからは判断できません。ほかのメールサービスの要件は、この記事では確認していません。要件に当たるかどうかの判断は、情報システム担当、ベンダー、必要に応じて専門家に確認してください。

情報システム担当やベンダーに渡す質問は、次のとおりです。

  1. 応募者向けのメールの送信元のアドレスとドメインは何か。自社のドメインか、サービス側のドメインか。
  2. その送信元のドメインに、メール認証(SPF、DKIM、DMARC)が設定されているか。使っている送信サービスは、その設定の対象に含まれているか。
  3. 送信の記録を、誰が、どの画面または依頼で、どこまでさかのぼって見られるか。
  4. 受信側に拒否されたとき、記録に何が残り、誰に知らせが届くか。
  5. 不達の知らせの届き先は、今の担当者が見ている受信箱になっているか。
  6. 応募者が自動返信に返信した場合、その返信はどこに届き、誰が見ているか。

返信用のアドレスの質問は、届かない原因とは別の話ですが、送信元の設定を確かめるついでに聞いておくと、応募者からの返事の取りこぼしを防げます。

五つ目:受信側は、最後に、応募者の手を借りて確かめる

自社の中で原因が見つかるなら、先に直します。応募者に設定の確認を頼むのは、応募者の手間を使うことになるからです。それでも、自社の側に問題が見つからない場合は、受信側を確かめます。一般の解説や求職者向けのヘルプは、確認する項目として、迷惑メールのフォルダやゴミ箱、送信元のアドレスやドメインの受信拒否、携帯会社の迷惑メール対策の設定、受信箱の容量を挙げています。

携帯会社のアドレスでは、パソコンなどからのメールを受信しない設定になっていると、届かない場合がある、と携帯会社のページは説明しています。求職者向けのヘルプには、本文にリンクを含むメールを受信しない設定を、確認する項目に挙げたものもあります。応募者に受信設定を頼むときは、自社が実際に使っている送信元のアドレスとドメインを、正確に伝えます。ドコモのページは、受信するメールアドレスの登録では、登録したアドレスやドメインと後方が一致するものからのメールをすべて受信すると説明し、それらのアドレスから送ったようにみえる迷惑メールも受信する可能性がある、と注意しています。同じ受信リストの転送元・メーリングリストアドレスの登録は別の登録で、完全に一致するアドレスについて、登録したアドレスが宛先のToまたはCCに含まれる場合だけ受信するものです。ページには、送信元のアドレスを指定するものではない、と書かれています。送信元が実際に何なのかは、届いたメールや、自社で試しに送ったメールで確かめます。

応募者に頼めるのは、確認と、本人が納得した範囲の設定変更です。設定を変えてもらえない場合や、変えても届かない場合は、別のアドレスや別の経路に切り替えます。迷惑メールとして扱われていたと分かったときは、ほかの応募者にも同じことが起きていないか、四つ目へ戻って確かめます。

別の経路に切り替えるのは、応募者の次の動きに期限があるとき

切り替えの基準は、応募者の次の動きに期限があるかどうかです。面接の日が近い、書類の提出に期限がある、辞退の意思を確かめる必要がある、といった場合は、五つの段の確認が終わるのを待たず、並行して別の経路で最小限を伝えます。急がない案内であれば、切り分けが済んでから再送します。

別の経路に使うのは、応募者が連絡先として提供した範囲(応募の際に書かれた電話番号など)にとどめます。伝えるのは、「メールを送っているので確認してほしい」「届くアドレスを教えてほしい」という最小限です。選考の内容や個人情報に踏み込む連絡は、届いたかどうか分からない手段では送りません。別の経路に切り替えるかどうかと、その文面は、人が決めます。切り替えて伝えたことは、記録に残します。

切り分けの結果は、止まった段で残す

一件ごとに、次のことを残します。申告を受けた日時、受け取っていないと言われた返信の種類、止まっていた段(一から五、または特定できず)、見た記録、依頼した相手と内容、再送の有無と結果、応募者に伝えた内容。応募者のメールの中身や、受信箱の画面は残しません。

段ごとにまとめると、直す場所が見えます。一つ目が多ければ対象の設定、二つ目が多ければ承認の運用、三つ目が多ければ宛先の登録や入力、四つ目が多ければ送信元の設定、五つ目が多ければ応募者への案内です。件数の目標や、許容する水準は、この記事では示しません。応募の量や担当の人数によって変わるため、始めてから見直して決めます。

運用を始める前や、設定を変えたあとには、自社で管理している試験用の応募で、受付の返信が届くかを確かめます。携帯会社のアドレスやフリーメールなど、種類の違う受け取り先で試すと、五つ目の傾向が先に見えます。社員の個人のアドレスを使う場合は、本人の了承を得てから使います。

採用AXの公開ページとの関係

WITHPROJECTSの採用AXの公開ページには、採用業務の流れの整理として、応募対応の行があります。よくある質問への一次返信、受付の確認、ステータスの更新をAI・ルールに任せやすいこととし、個別の事情への対応と、例外的な問い合わせを人が決めることとして整理しています。同ページは、設計の進め方に「AIの出力を誰が確認するか(責任分界)と、例外が出たときの動きを決める」を挙げています。このページの本文に、メールの送信基盤や、送信元ドメインの設定を提供する旨の記載は見当たりません。この記事の四つ目は、情報システム担当やベンダーの領域として書いています。当社は依頼先になり得る立場でもあるため、この節では、自社の公開ページに書いてあること以外は述べません。

採用業務をAI・ルール・人にどう分けるかは採用AXとはにまとめています。

確認に使った資料

  • Google「メール送信者のガイドライン」(Gmailヘルプ。個人用Gmailアカウント宛ての送信者の要件。2026年10月16日に確認)
  • NTTドコモ「受信リスト/拒否リスト設定(spモード)」(2026年10月16日に確認)
  • マイナビ転職、Indeedの求職者向けヘルプ(メールが届かない場合の案内。2026年10月16日に確認)
  • マネーフォワード クラウド「メールが届かない原因は?未受信時に確認すべき項目や対策方法を解説」(2026年10月16日に確認)
  • HITO-Link CRM「バウンスメールを確認する」(メール送信失敗履歴の説明。2026年10月16日に確認)

採用の候補者や応募者を扱うシステムのマニュアルには、送信に失敗した履歴の一覧(件名、宛先、日時、エラーの区分と原因)を見られると説明するものがあります。ただし、製品ごとに画面と記録の仕様は異なります。この記事が確認したのは上の一件の説明の範囲で、特定のATSやメール配信サービスの画面と、送信の記録の仕様は確認していません。DNSの設定値や、個別の送信元の適否は、情報システム担当、ベンダー、必要に応じて専門家に確認してください。

返信が止まる段を、自社の流れで洗い出したいとき

応募者への返信が、作られ、承認され、送られ、受け取られるまでのどこで止まりうるかを、自社の採用の流れに当てはめて洗い出すと、確かめる順番と、頼む相手が決まります。

応募者への自動返信が止まる段と、確かめる人・順番を、自社の採用の流れに合わせて整理したい方は、個別相談の予約へお進みください。(個別相談会(30分)の予約ページへ移動します)

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