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税理士事務所が仕組み化を相談する前に、記帳後の確認業務を棚卸しする5つの視点

AI(DX AX)

記帳は済んでいるのに、最後は所長が請求書や入金記録を開き直している。そんな状況を何とかしたいと考えても、「今の確認がどんな流れで、どこに時間がかかっているか」を説明できないと、相談の入口で話が止まってしまいます。この記事は、税理士事務所の所長や業務責任者が、確認業務の仕組み化を外部に相談する前に行う、現状の棚卸しの視点をまとめたものです。なお、当社は税理士事務所向けの税務AXを提供しているため、その立場は記事の最後に記載しています。

誰に頼むかを先に決めたい方は、税理士事務所のAI化、委託先の選び方をご覧ください。

相談前に整理する3ステップの図:1.現状を書き出す(請求書・入金記録・仕訳の根拠)、2.判断の基準を決める(何を任せるか・誰が判断するか・どこまで確認するか)、3.任せる範囲をそろえる

視点1:確認業務の流れと、各段階の担当

資料が届いてから確定するまでを、段階に分けて書き出します。たとえば、資料の受領、記帳、確認、顧問先への照会、差戻し、確定です。各段階で、誰が手を動かし、誰が最終的に見ているのかを横に添えます。

所長が最後にすべてを見ている場合は、その事実もそのまま書きます。見直しの出発点は、きれいに整えた理想の流れではなく、今の実際の流れです。

視点2:元資料の種類と、届き方

請求書、領収書、通帳やカードの明細、会計ソフトに取り込んだデータなど、元資料の種類を挙げます。紙で届くもの、PDFやメールで届くもの、ソフトから自動で入るものを分け、顧問先ごとに届き方が違うかどうかも確認します。

元資料が不揃いなほど、確認の手間は増えます。どの顧問先の、どの資料が、いつもそろいにくいのかを、分かる範囲でメモします。

視点3:確認にかかる時間と、差戻しの回数

確認作業を、通常の確認と、顧問先への照会や差戻しとに分けて、おおよその回数と時間を記録します。月に何社分を確認しているのか、一社あたりの目安時間はどのくらいか、差戻しが起きるのはどんなときか、といった点です。

正確な計測が難しければ、「未計測」と書いたうえで、まず1か月分だけ記録してみる方法もあります。ここで出した数字は、仕組みを試したあとに比べるための出発点です。削減できる時間は、この時点では約束できません。

視点4:例外と、人が判断する範囲の線引き

資料が足りない、期限が迫っている、科目の判断が分かれる、前月から取引の傾向が変わっている。こうした通常と違う場面を挙げ、それぞれ誰が判断し、誰に確認するのかを決めます。

税務判断は、これまでどおり税理士が行います。そのうえで、確認のどの部分までを職員が確かめ、どこから先を税理士が見るのか、現状の線引きを書き出します。線引きがあいまいな箇所は、「未決定」と書いて残します。

視点5:顧問先のデータの扱いと、整った状態の基準

確認業務で扱うデータのうち、事務所の外に出してよいもの、出せないものを分けます。保存場所、保存期間、削除の方法も、現時点で決まっている範囲を確認します。顧問先の情報の取扱いに関する規定が関わるため、個別の可否は所属の税理士会や専門家に確認してください。

最後に、「確認業務が整った」状態を、確かめられる言葉にします。たとえば、所長が開き直す件数、差戻しの回数、確認が終わるまでの日数などです。

相談前に書き出すメモ

見る点書き出す内容
流れと担当受領から確定までの段階と、各段階の担当、最終的に見ている人
元資料資料の種類、届き方、そろいにくい顧問先や時期
時間と差戻し通常の確認と照会・差戻しの回数と時間(未計測は未計測と記載)
例外と線引き通常と違う場面、職員と税理士の判断の境目(未決定は未決定と記載)
データと基準外に出せるデータ、保存・削除の考え方、整った状態の指標

すべて埋まっていなくても構いません。空欄を「未計測」「未決定」と区別して残すだけで、最初の相談で確かめる点が絞れます。

棚卸しをせずに進めたときの失敗パターン

  • 所長が最後に開き直している実態を伝えないまま、「確認を自動化したい」と相談している
  • 通常の確認と差戻しの時間を分けず、どこが重いのか分からないまま提案を比べている
  • 判断の線引きを決めずに仕組みを入れ、結局すべてを人が見直すことになる
  • 整った状態の基準がなく、導入のあとで効果を確かめられない

当社の税務AXについて

当社の税務AXは、税理士事務所の記帳後の確認業務(請求書や受領請求書と、それぞれの入金・支払の記録との突合)の前処理を、事務所ごとに設計・実装・運用する取り組みです。税務判断は、これまでどおり税理士が行います。

具体的な内容は税務AX|記帳後の確認を、元データまで追える形に整えるに、確認作業が終わらない構造は税理士事務所の記帳確認が終わらない理由にまとめています。

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