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採用代行やAIに任せる作業は、職業紹介・委託募集・募集情報等提供のどこで分かれるか:職業安定法と指針の原文を読む

AI

応募者への返信、面接日程の調整、応募書類の整理、スカウトの文面づくり、候補者の絞り込み。採用の作業を採用代行会社やAIツールに任せようとすると、「これは職業安定法の職業紹介に当たらないのか」「許可が要るのか」という問いが出てきます。ところが、解説記事を読み比べると、同じ作業を「許可は不要」と書くものと、「候補者の選定に踏み込むなら許可が必要」と書くものがあり、担当者が迷いやすいところです。

この記事は、職業安定法の条文、同法に基づく指針、厚生労働省の募集・求人業務取扱要領、募集情報等提供事業と職業紹介事業の業務運営要領、令和4年改正のQ&A、厚生労働省の区分のページ、規制改革に関する政府の資料を、原文で読み直したものです。読んだのは、どの区分に当たると許可や届出が要るのかと、その区分を分ける判断基準が、AIを使う場合にどう書かれているかです。そのうえで、応募者対応、日程調整、書類の整理、スカウト、候補者の選別を、原文の例に並べました。

個別のサービスや自社の運用が、職業紹介、委託募集、募集情報等提供のどれに当たるか、許可や届出が要るかは、この記事では判断しません。厚生労働省の区分のページも、個別のサービスが職業紹介事業または募集情報等提供事業に該当するかどうかは、都道府県労働局への問合せを案内しています。 派遣や請負、個人情報保護法、募集時の労働条件の明示は、別の論点として、この記事では読んでいません。

条文が分けている形態:募集、委託募集、職業紹介、募集情報等提供

職業安定法第4条は、職業紹介を、求人と求職の申込みを受けて、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすることと定めています(第1項)。労働者の募集は、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に、被用者となることを勧誘することです(第5項)。この二つに、求人情報や求職者情報を提供する「募集情報等提供」(第6項)が並びます。

形態条文定義の要旨許可・届出
募集(自ら行う文書募集・直接募集)第4条第5項雇用しようとする者が、応募を勧誘する。取扱要領は、文書募集と直接募集には、許可制や届出制などの事前の規制を行っていないと書く事前の許可・届出の定めなし(取扱要領の記載)
委託募集第36条雇用しようとする者が、被用者以外の者に募集に従事させる報酬を与えるときは厚生労働大臣の許可(第1項)と報酬額の認可(第2項)。報酬を与えないときは届出(第3項)
職業紹介第4条第1項、第2項、第3項求人と求職の申込みを受け、雇用関係の成立をあっせんする。手数料や報酬を受けないものが無料、それ以外が有料有料の職業紹介事業は厚生労働大臣の許可(第30条第1項)。無料の職業紹介事業にも、第33条第1項に許可の定めがある(例外等の条文は読んでいない)
募集情報等提供第4条第6項、第7項求人情報や求職者情報を、依頼を受けて、または収集して提供する四つの類型。求職者に関する情報を収集して行うものが「特定募集情報等提供」特定募集情報等提供事業は厚生労働大臣へ届出(第43条の2第1項)

厚生労働省の区分のページは、求人情報や求職者情報を提供するだけで、求人と求職の申込みを受けず、雇用関係の成立のあっせんもしない場合は、職業紹介に当たらず、許可等の手続は必要ない、と書いています。ただし、求職者に関する情報を収集して行う募集情報等提供は、特定募集情報等提供として届出が必要だとも書いています。

許可の名宛ては、形態によって違います。第36条第1項の主語は「労働者を雇用しようとする者」、つまり募集を委託する側です。第30条第1項の主語は、有料の職業紹介事業を行おうとする者、つまり紹介を行う側です。取扱要領の委託募集の許可基準には、募集主の要件に加えて、募集受託者の要件も置かれています。

罰則は、第64条が、第30条第1項の規定に違反したとき(第1号)と、第36条第1項の規定に違反したとき(第7号)を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金としています。第36条第2項又は第3項の規定に違反したときは、第65条第4号で、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金です。

「当該者の判断」が軸になる:指針が挙げる三つの行為

職業紹介と募集情報等提供の区分は、指針(平成11年労働省告示第141号。確認した版は最終改正が令和6年厚生労働省告示第318号)の第六の六(二)に書かれています。次のいずれかを事業として行う場合は、職業紹介事業の許可等が必要だという形です。

  • イ(選別):求職者に関する情報や求人に関する情報を、当該者の判断により選別した提供相手にだけ、または選別した情報だけ提供する。
  • ロ(加工):その情報の内容を、当該者の判断により、提供相手の求人者や求職者に応じて加工して提供する。
  • ハ(意思疎通の加工):求職者と求人者の意思疎通を当該者を介して中継する場合に、当該者の判断により、その意思疎通に加工を行う。

同じ箇所は、当該者の判断を人が行うのか電子情報処理組織が自動的に行うのかは問わない、と書いています。また、宣伝広告の内容や契約内容などの実態から、求人者と求職者をあっせんする行為を事業として行うものと判断され、募集情報等提供事業がその一部として行われているときは、全体として職業紹介事業に当たる、とも書いています。

指針、取扱要領、区分のページ、業務運営要領のうち、AIの語が出てくるのは、この「自動的に行われているかどうかにかかわらず」の括弧書きです。厚生労働省の区分のページ、募集情報等提供事業の業務運営要領(令和8年9月)、職業紹介事業の業務運営要領(令和8年10月1日から適用される版)は、電子情報処理組織に「人工知能関連技術(AI)を活用したものを含む」と書いています。一方、確認した指針の原文と、取扱要領(令和7年6月)の同じ箇所には、この括弧書きは見当たりませんでした。令和4年改正のQ&Aも、問9-1と問9-2で、「当該者の判断」は、事業に従事する人が行うものか、事業者のコンピュータやアルゴリズム等が自動的に行うものかを問わない、と説明しています。

注意したいのは、区分の例が置かれている場所です。例は、厚生労働省の区分のページと、二つの業務運営要領に、「募集情報等提供と職業紹介の区分の例」として並んでいます。「採用代行」の語を使った例は、確認した範囲では見当たりませんでした。

指針の行為該当しないとされた例該当するとされた例
イ 選別全件を閲覧可能にしたうえで、メール等の配信で一部だけを送る(例2-1、2-2)/会員区分で見える情報が違うことを利用者が知っていて、変更もできる(例2-3)/求人者から特定の資格を持つ人だけに配信するよう依頼され、そのとおりに提供する(例2-4)求人者から提供方法の限定なく依頼があり、事業者が求人内容や求職者の属性等から提供先を検討する(例2-5)/求職者の登録した職歴等をもとに、事業者が選別した求人だけを提供する(例2-6)
ロ 加工「新着」の見出しを付ける(例3-1)/閲覧履歴等で表示順だけを変える(例3-2)/求職者情報を一律に匿名化して全ての求人者に提供する(例3-4)求職者の登録情報に応じて、採用される可能性のある給与額を示す文言を付けて提供する(例3-3)
ハ 意思疎通の加工求人者と求職者が直接連絡できる仕組みを設ける(例4-1)/登録済みの履歴書を応募に基づいて送る、一般的な添削やアドバイスをする(例4-2)/求人者が指定した求職者に、共通の定型文、または形式的な挨拶や宛名だけを加えたスカウトを送る(例4-3)/面接を録画・録音し、文字起こしと日付の付記をして提供する(例4-7)求職者の登録情報に応じた文言をスカウトに加える(例4-4)/面接の日程調整などで、特定の求職者を優先するなど、意思疎通の到達に先後をつける(例4-5)/求人者が予め設定していない質問を面接で行う(例4-6)/面接内容を評価する文言を付けて提供する、またはその提供の要否を判断する(例4-8)

例を並べると、分かれ目は作業の種類より、その内容や相手を誰が決めたかにあります。求人者が決めた条件に従って絞ることと、事業者が求人や求職者の属性を見て自分で選ぶことは、別の例として並んでいます(例2-4と例2-5。Q&Aの問9-2も同じ整理です)。

返信・日程調整・書類・スカウト・絞り込みを、原文の例に並べる

次の表は、採用で任せたくなる作業ごとに、近い原文の例と、確認した範囲で書かれていないことを並べたものです。原文の読み方の整理であり、個別の作業が職業紹介に当たるかどうかの判断ではありません。

任せたい作業近い原文の例・記載例が分けているところ確認した範囲で書かれていないこと
応募者・候補者への返信広告上は募集情報等提供事業であっても、実態として、事業を行う者が、求人者に代わって採用候補者の選定や、求人者の判断によらない選考に関するメールの返信等を行っている場合は、職業紹介に該当する。採用以外を目的とした一般的な問い合わせ対応の中で、求人事業者に関する情報が含まれるだけなら該当しない(例1-3)。メール等の内容を追記・改変・削除すれば意思疎通の加工(Q&A問9-6)求人者に代わって候補者の選定や返信を行っているか。返信の内容を、求人者が決めているか、事業者が決めているか求人者が用意した回答から、AIが質問に合うものを選んで返す場合に、その返信の内容を求人者の判断と見るのか
面接日程の調整日程調整で、特定の求職者が優先的に面接や連絡を受けられるようにするなど、当該者の判断で到達に先後をつける差配は加工に該当する(例4-5)。採用可能性が高いと思われる求職者の連絡を優先的に届けることも同様(Q&A問9-6)。厚生労働省の資料2-3も同じ例を挙げる日程調整をするかどうかより、誰を先にするかを事業者が決めているか候補日の提示、再調整、リマインドを自動で行うとき、どこから差配に当たるのか
応募書類の項目抽出・要約・転記登録済みの履歴書を応募に基づいて送る、一般的な添削やアドバイスは加工に当たらない(例4-2)。履歴書を応募する求人に応じて改変・付加するのは、応じて加工したもの(Q&A問9-3)。録画の文字起こしと日付の付記は、内容に変更を加えないので加工に当たらない(例4-7)内容に変更や付加を加えるか、変更を加えずに記録・転記するか項目の抽出や要約を直接取り上げた例。要約が内容に変更を加えないと言える範囲
スカウトの文面作成と送信求人者が指定した求職者への共通の定型文、または形式的な挨拶や宛名だけを加えた送信は加工に当たらず(例4-3)、登録情報に応じた文言を付けると加工に当たる(例4-4)。求職者を探索して就職を勧奨し、応じた者をあっせんするスカウト行為を事業として行う場合は職業紹介(例1-4。指針第六の六(一))対象を求人者が指定しているか、事業者が探索しているか。文面が共通か、候補者ごとに変わるか生成AIが候補者ごとに文面を作る場合の線
候補者の絞り込み・順位づけ・スコアリング求人者から限定なく依頼があり、事業者が属性等から提供先を検討するのは、当該者の判断(例2-5)。閲覧履歴等に基づき表示順だけを変えるのは加工に当たらない(例3-2)。面接内容を評価する文言を付ける、または提供の要否を判断するのは加工(例4-8)並べ方を変えるだけか、評価を付けるか、提供するかどうかを決めるかスコアリングを直接取り上げた例。政府の答申は、AIが求める人物像との合致をスコアリングする行為が加工に当たるかを、不明確との声として記録している(後述)
面接の実施・記録(AI面接を含む)求人者が予め設定した質問の趣旨を明確化する範囲を超えて、設定していない質問をするのは加工(例4-6)。録画・録音に文字起こしと日付を付けて提供するのは加工に当たらない(例4-7)。評価を付けて提供するのは加工(例4-8)求人者が決めた質問の範囲か、事業者が質問を足すか。記録か、評価かAI面接を名指しした例。答申は、AIが企業の指示していない質問を追加したり深掘りしたりすることを、不明確との声として記録している

例4-3から4-8は、求人者に代わって面接を行う、求人者が指定した求職者にスカウトを送る、といった代行に近い場面です。ただし、いずれも「募集情報等提供と職業紹介の区分の例」として置かれたものです。なお、表の例1-3の対象は、広告上は募集情報等提供事業を行っている者で、採用代行を名指しした例ではありません。厚生労働省の資料2-3は、区分の具体例を周知してきたと述べたうえで、採用代行に係る例示は少ない、と書いています。

委託募集の側では、何が分かれ目として書かれているか

取扱要領は、委託募集を、労働者を雇用しようとする者が、被用者以外の者に労働者の募集に従事させる形態と書き、募集従事者を、応募を勧誘する行為を行う者と定義しています。第4条第5項が募集を「勧誘」としているため、委託募集の軸は、応募を促す行為を被用者以外の者が行うかどうかにある、と読めます。

職業紹介との関係では、取扱要領が次の三点に触れています。

  • スカウト行為(求人者に紹介するため求職者を探索し、就職を勧奨し、応じた者をあっせんする行為)を事業として行う場合は、職業紹介事業に含まれ、職業紹介事業の許可が必要。
  • 募集の受託を事業として反復継続する場合は、複数の募集を同時並行で扱い、応募しようとする労働者を選別して最も適切と思われる募集にあっせんするという、職業紹介の実態に該当することが通常。許可を取得している人材スカウト型の職業紹介事業者に募集を委託するときは、その事業者に求人を申し込んだものと解するのが適当で、委託募集の許可は基本的には不要。
  • 企業グループに属する企業が、同じグループの他の企業の委託を受けて募集を行うなど、別の法人格を持つ募集主の委託を受けて行う募集は、委託募集に当たる。

取扱要領(令和7年6月)には、「採用代行」の語は見当たらず、応募者対応や書類の整理といった作業を、委託募集の許可の要否の面から個別に例示した箇所も、確認した範囲では見当たりませんでした。

自社でAIを使うときと、第三者が事業として行うときは、読む箇所が違う

指針の判断基準は、これらの行為を「事業として」行う場合に付いています。募集情報等提供事業の業務運営要領は、事業を、一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することと説明し、1回限りの行為でも反復継続の意思があれば事業性がある、としています。一方、取扱要領は、自ら、またはその被用者をして行う文書募集と直接募集を、原則として自由に行えるとしています。自社の担当者が自社の採用のために使うことと、第三者が事業として行うことは、同じものとして読まないほうがよい、という整理になります。

場面先に読む箇所原文が書いていること確認した範囲で書かれていないこと
自社の担当者が、自社の採用のために、AIツールで返信や日程調整などをする取扱要領の文書募集・直接募集自ら、または被用者をして行う文書募集・直接募集は原則として自由。インターネット等を利用した募集も文書募集として扱う外部のAIサービスを契約して使うとき、そのサービスの提供者が当該者に当たるのか。当該者の判断は誰の判断になるのか
採用代行会社(人が作業する)に任せる取扱要領の委託募集、指針第六の六、資料2-3被用者以外に募集に従事させるなら委託募集。採用代行サービスは、提供されるサービスごとに、実態に基づいて、どの雇用仲介事業に該当するかを判断するとする採用代行の各作業を、委託募集と職業紹介のどちらに位置づけるかの例示(資料2-3自身が、例示は少ないと書く)
AIを使った採用代行サービスに任せる指針第六の六(二)、区分のページと業務運営要領、答申と実施計画判断が自動で行われるかは問わない。AIによるスカウトの作成・送配信、面接、問合せ対応について、職業紹介に該当するものとしないものを明確化し、具体例に追記するなどの措置を、政府が実施事項にしている追記の内容。取得した区分のページの具体例に、AIによるスカウト・面接・問合せ対応を名指しした例は見当たらなかった

解説記事の線引きと、原文の例とは、どこが重なりどこが違うか

確認した民間と法律事務所の解説記事では、同じ作業でも書き方が分かれています。原文の例と並べると、粒度の違いが見えます。

  • 採用代行全体の位置づけ:採用代行を委託募集(第36条)に区分する解説と、一般的な採用代行は委託募集に当たらず、委託募集の届出は不要と書く解説があります。前者の中には、取扱要領で委託募集に区分されると書くものがありますが、取扱要領(令和7年6月)に「採用代行」の語は見当たりませんでした。
  • 応募者対応と日程調整:作業名のまま、許認可が不要な業務に挙げる解説があります。原文の例1-3と例4-5は、作業名ではなく、返信の内容や到達の先後を誰が決めるかで分けています。
  • スカウト:送信を許認可が不要な業務に挙げる解説、企業側の判断で送る指示に基づく場合は許可不要とする解説、業者側の独自の判断で候補者を選定・勧奨すれば職業紹介事業に該当する可能性が高いとする解説があります。最後の書き方は、対象や文面を誰が決めるかで分ける例4-3、例4-4、例1-4と重なります。
  • 書類選考と面接:委託先に主体的な選考を依頼するなら職業紹介の免許が必要で、合否の基準が決まっていて機械的に合否を出す場合は主体的な選考ではない、と書く解説があります。この線は、取扱要領、二つの業務運営要領、Q&Aには同じ形では見当たりませんでした。近い箇所は、求人者が予め設定した質問かどうかで分ける例4-6と、評価を付ける例4-8です。
  • 報道:2026年3月の東京労働局の見解として、候補者に合わせた求人文面やスカウト文面の作成・送信、応募者のスクリーニングは有料職業紹介の許可が必要で、あらかじめ決められた求人原稿の掲載や指示された面接日程の調整は許可が不要とされた、と伝える記事があります。見解の文書そのものは確認できていないため、この記事では根拠にしません。

政府は、AI採用代行について何を明確にするとしているか

  • 令和8年2月13日:規制改革推進会議のデジタル・AIワーキング・グループ(第7回)で、「AI等を活用した採用代行の職業安定法上の許可要否及び許可要件の明確化」が議題になりました。厚生労働省の資料2-3は、採用代行サービスは提供されているサービスごとに実態に基づいて判断する必要があると述べ、採用代行に係る例示は少ないため、実態を確認しながら追記し、さらなる明確化を検討する、としています。また、AIを利用した採用代行サービスの実態把握は、現時点では十分ではない、とも書いています。
  • 令和8年6月29日:規制改革推進会議の答申が、AIがスカウトメールを作成・送配信する行為、AIによる面接での質問の追加や深掘り、AIによる問合せ対応が、指針の加工に当たるか不明確だという声と、事業者ごとに判断が異なっているという声を記録しました。措置としては、職業紹介に該当するものとしないものの明確化と区分のページの具体例への追記(a)、それまでの間、労働局ごとに判断が異ならないよう、労働局から本省に照会させる措置(b)、実態調査のうえ、職業紹介事業者の個人情報の帳簿記載義務などの要件を点検する措置(c)を挙げています。
  • 令和8年7月21日:規制改革実施計画が閣議決定され、同じ事項が厚生労働省の実施事項になりました。時期は、aとbが令和8年度上期の措置、cが令和8年度に速やかに調査・検討を開始し、結論を得次第速やかに措置とされています。

令和8年10月15日に取得した区分のページと、令和8年9月・10月の業務運営要領の具体例には、AIによるスカウト・面接・問合せ対応を名指しした例は見当たりませんでした。追記がいつどのように行われるかは、この記事では確認できていません。この記事の整理は今後の追記で変わりうるため、最新の区分のページを確認してください。

任せる範囲を決めるとき、業務一覧に足しておく列

次の表は、原文の分かれ目である「誰が決めるか」を、任せる範囲の決め方に移した、一般的な進め方の提案です。法令への適合を確認するものでも、特定の委託先への提案でもありません。

業務一覧に足す列書くこと対応する原文の分かれ目
作業返信、日程調整、書類の項目抽出、スカウト文面、候補者の絞り込みなど、作業単位。作業名だけでは区分が決まらないため、作業ごとに下の列を書く例1-3、例4-5
内容や相手を決める人自社、受託者、AIのどれか。AIの場合は、出力を送る前に誰が確認して確定するか指針第六の六(二)の「当該者の判断」
判断のもとになる条件自社が書面で指定した条件か、受託者やAIが属性などから決めた基準か。条件を変えるのは誰か例2-4と例2-5、Q&A問9-2
文面や情報に加える内容共通の定型文か、候補者ごとに変わる文言を加えるか例3-3、例4-3、例4-4
連絡や日程の順番順番を決めるルールを、誰が決めるか例4-5、Q&A問9-6
受託者の許可・届出委託先が持つと説明する許可・届出の種類と、その確認先第30条、第36条
判断が分かれる作業の確認先迷う作業を、いつ、誰が、労働局や専門家に確認するか区分のページの案内(個別のサービスは労働局へ)

自社でAIを使う場合も、同じ列を書いておくと、AIが決めている部分と人が決めている部分を、後から説明しやすくなります。

採用AXのページは、この区分をどこまで述べているか

WITHPROJECTSの公開サービスページ「採用AXとは」は、採用業務を、AI・ルール・システム連携・人の役割に分け直して設計・実装することを採用AXとし、採否そのものをAIに任せることを意味しない、と説明しています。表では、応募対応の一次返信や、日程調整の候補日の提示、再調整、リマインドをAI・ルールに任せやすいこと、面接官の割り当てや優先順位の判断を人が決めること、と整理しています。AIが担う部分と人が判断する部分を分けて設計することを基本にし、採否そのものをブラックボックスのAIに任せる設計はしない、とも書いています。

この整理が、職業紹介、委託募集、募集情報等提供の区分に合うことや、許可・届出が要らないことを、このページが示しているわけではありません。この記事も、個別の適否は判断しません。

関連する解説は、採用AXとは:採用業務をAI前提で組み直す、採用AIの委託先の選び方:機能の比較ではなく、データ・責任分界・例外・人の判断・運用で比べる、面接日程調整を自動化する前に、例外は誰に戻すかを決める、応募書類のAI抽出・要約とは何か、採用の問い合わせにチャットボットが自動応答するとき、答えてよい質問は何で決めるかです。

読んだ原文と、読んでいないもの

  • 職業安定法(昭和22年法律第141号。e-Gov法令検索のAPIで取得。現行の版は令和8年4月1日施行で、以降の未施行の版は版の一覧に見当たらなかった。第4条、第30条、第33条第1項、第36条、第43条の2、第64条、第65条を確認)
  • 指針(平成11年労働省告示第141号。最終改正 令和6年厚生労働省告示第318号の版。第六の六を確認)
  • 厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月。第Ⅰ〜第Ⅲと、指針の引用箇所を確認)
  • 厚生労働省「募集情報等提供事業の業務運営要領」(令和8年9月。第1の1と2を確認)と「職業紹介事業の業務運営要領」(令和8年10月1日から適用される版。第1の区分の箇所を確認)
  • 厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(問9-1から問9-6)と、厚生労働省の「募集情報等提供と職業紹介の区分」のページ
  • 規制改革推進会議のデジタル・AIワーキング・グループ(令和8年2月13日)の厚生労働省資料2-3、同会議の答申(令和8年6月29日)、規制改革実施計画(令和8年7月21日閣議決定)

読んでいないものは、職業安定法施行規則、職業紹介事業の業務運営要領の許可基準の章、取扱要領が引く最高裁判所の判決の原文、同ワーキング・グループの民間事業者の提出資料、各労働局の運用です。 指針、要領、区分のページは改正や追記が続くため、最新の版と、個別の判断は、所管の労働局や専門家に確認してください。

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